<剣道形



● 立会の前後には、刀を右手に提げ、下座で約3歩の距離で向かい合って正座し、刀を右脇に刃部を内側に、鍔を膝頭の線にそろえて置き、互いに礼をする。
 @ 下座の位置は、特に限定しないが、中央が望ましい。打太刀、仕太刀の位置については、必ずしも打太刀を上座に向かって右側にしなくてもよい。
 A 小太刀は、太刀の内側に置く。
● 次に、刀を右手に刃部を上に柄を前に切っ先を後ろさがりにして提げ、立会の間合に進む。立会の間合は、およそ9歩とする。
 @ 演武する場合の小太刀を置く位置は、仕太刀の立会の位置から右(左)後方約5歩のところに刃部を内側にし、演武者と平方に置く。
● 打太刀、仕太刀、刀を提げ、立礼をして始める。立会の間合に進んだのち、まず上座に向かって礼をし、次に、互いの礼をしてから、刀を左腰に差し、左手を鍔元に添えて親指を鍔にかける。木刀のときは、左手に持ちかえると同時に、親指を鍔にかけて腰にとる。
 @上座の礼を、上体を約30度、前に傾けて行う。
 A 互いの礼は上体を約15度、前に傾けて注目して行なう。
 B 親指を鍔にかける要領は、鯉ロを切ることと、刀を相手から抜かれないようにする心持ちで親指の指紋部のところで鍔の上を軽く押さえる。
● 次に、互いに右足から大きく3歩踏み出して、蹲踞しながら刀を抜き含わせる。蹲踞はやや右足を前にして右自然体となる程度とし、立ち上がって中段の構えとなり、剣先を下げ、互いに左足から小さく5歩ひき、いったん中段の構えになる。
 @ 打太刀、仕太刀とも足捌きはすり足で行なう。
 A 剣先を下げるとは、構えを解くことである。(以下同じ)
● 剣先を下げる要領は、自然に相手の左膝頭から約3〜6センチメートル下、下段の構え程度に右斜め下に下げる。ロ.このとき剣先は、相手の体からわずかに外れるくらいにひらき、刃先は左斜め下に向くようにする。(小太刀もこれに準ずる。)
● 小太刀の場合は、太刀に準じて行なうが、構える場合は抜き合わせると同時に、左手を腰にとり、剣先を下げると同時に左手を下ろす。
 @ 左手を腰にとる要領は、栗形の部分を軽く押さえ、木刀の場合は、親指を後ろに四指を前にして腰にとる。
● 最後の礼は最初の礼と同じである。最後の礼は、まず互いに礼をし、次に上座に向かって礼をして退場する。
@ 上座の礼が終わると、最初に下座で行った座礼の位置にもどり、互いに礼をして退場する。
以 上